2017/9/7
福岡県警が2014年9月、特定危険指定暴力団五代目工藤會壊滅作戦に着手してから11日で丸3年が経過した。幹部の摘発などで組織が弱体化し、資金集めが困難になった事から、工藤會執行部は、総本部への上納金の減額を決定した。
上納金は傘下組織の規模などにより異なるが、従来の額は理事長を含む執行部と直系組長などが約20万円、上席専務理事と専務理事が約10万円、常任理事約が7万円、幹事約が2万円などだったが、半額程度に抑えられる見込みだ。
壊滅作戦着手後、飲食店や建設業者へのみかじめ料要求に対し、福岡県警が取り締まりを強化し、組運営資金が調達できず上納金を納めない、もしくは滞納する幹部が出始め、従来通りに支払っている幹部の不満が高まったため、昨秋の会合で減額が決まった。
「上納金を納めない組幹部が出てきた」「トップが長期不在の中、何で上納金を払ってまで忠誠を誓わないといけないのか」「上納金を払うメリットがない」などと毎月納めている組幹部からは不満の声が噴出、上層部の不在で統制が利かない状況となっていた。
工藤会という看板の使用料に対し、支払っていた上納金が、工藤会トップの逮捕、拘留により不在となった現在、その看板である代紋に価値を見いだせなくなった下部組織が現れている。
鉄の結束とも言われた工藤会の統率力が弱まっている証拠とも言える。
このままいけば、警察庁の思惑通り、工藤会の解体も間近との見方もあるが、その一方駆動会の代紋によって統率されてきた傘下組織が独立し、統制がとれず犯罪行為が増加すると懸念する声もある。