2016/3/11
福岡県中間市で2008年9月、特定危険指定暴力団工藤會傘下津川組幹部安高毅相談役 (当時66 )が射殺された事件で、殺人などの罪に問われた元同組幹部、南川忠邦被告(47)に対し、検察側は11日、福岡地裁(松藤和博裁判長)の公判で「上位者の殺害指示を詳細に供述し、真相解明に寄与した。勇気ある決断として最大限評価されるべきだ」と述べ、無期懲役などに相当するとしながらも有利な事情を考慮して懲役20年を求刑した。
論告で、南川被告が捜査段階から、共謀したとされる工藤会理事長代行、津川組組長木村博被告(殺人罪などで起訴)が首謀者と供述した点を重視し、「主体的かつ積極的に犯行に関与した」としながらも「従属的な立場に過ぎなかった」と述べた。
弁護側は「実行役から木村被告に犯行を報告する役だったに過ぎない」として殺人幇助罪にとどまると主張し、「求刑の半分以下の刑が相当」と訴えた。
検察側が組織犯罪解明への貢献を理由に求刑の軽減を公判で明言するのは異例と言える。判決は30日に言い渡される。
一般的に、判決は求刑よりも減刑されたものが言い渡されるのが通例だが、こうした検察の評価に対し、裁判所がどう判断するかが注目されている。