逮捕覚悟で大麻を使う価値があるのか

大麻
ヤクザニュース
2020/5/13

警察庁組織犯罪対策部組織犯罪対策企画課によれば、大麻事犯の検挙人員は年々増加傾向にあり、その背景には、インターネットなどで闇販売が横行し、未成年者でも容易に入手できることが大きい。

さらに欧米で合法化する動きがあり、大麻解禁を唱える有名人や芸能人が増え、犯罪意識が薄れていることも要因の一つと言えるだろう。

 

大麻は健康に害がないのか

大麻に含まれる化学物質カンナビノイドとその一種であるTHC(テトラヒドロカンナビノール、向精神作用あり、人工合成も)やカンナビジオール(CBD)の薬理作用を利用した医療用大麻と娯楽用大麻の認識の混同がある。欧米では医療用大麻が認められているが、日本では大麻取締法があり、医療目的でも所持や使用は禁止されている。

しかし、「大麻はタバコや酒に比べたら健康被害がない」という言葉を聞いたことがないだろうか?

タバコのように常習性がなく、酒の様に健康被害が無いと論じる者が多いのは数十年前から変わらず、それほど悪いものでは無いというのがその主張だが、これはどこから来たものだろうか。

害の大小で考える時、統計的にどれだけの害悪があるのか考えなくてはならない。

タバコを1日20本、毎日何十年と吸っていれば少なからず害があるのは否めないが、それと比べるのであれば、大麻を1日20ジョイント何十年と吸っている人との比較があって初めて大麻はタバコより害がないといえるだろう。

反対に大麻を1日1ジョイント吸っている人と、タバコを1日1本吸っている人との健康被害の差を数十年に渡って調査するべきなのだが、喫煙者の健康被害のデータも満足に無い状況で大麻の健康被害を調べることはむずかしく、比較対象として十分ではない。

タバコと比べれば害がないと言っている者たちは、そう思いたいだけで、何の根拠も無く希望的観測から大麻を正当化しているだけに過ぎない。

こと酒に関しては比較するまでもなく暴飲すれば多大な影響が人体に悪影響を及ぼすのは明白であるので、酒よりは良いのかもしれない。

しかし、昔から「酒は百薬の長」という言葉が示すとおり、適度な飲酒であれば健康被害が少ないと言われているのだから、適度な量の酒と比べれば健康被害が必ずしも大麻より多いとも言えないだろう。

 

医療で使われているから大麻は良いもの

大麻養護派がよく口にする、「ある国では医療用として大麻を使用しているので、大麻は良いものだ」と言っている事が多くある。

確かに鎮痛作用のある大麻を使用する事で、末期がん患者の痛みを和らげる効果を期待する事ができるのだが、これはあくまで、モルヒネやオキシコドンといった医療麻薬の代用として使用するものだ。

強力な医療麻薬が身体に受け付けない人にとって、それらの代用としては非常に良いと言えるのだが、「麻薬」の「代用」であって、積極的に使用できるものではなく、万能ではないということは覚えておかなくてはならない。

さらに医療で使われているから娯楽でも使ってよいというのであれば、モルヒネも娯楽で使って差し支えないというロジックも成り立つだろう。

医療大麻と娯楽用大麻は全く違う用法であり、同じ位置づけをしてはならない。

 

娯楽用として許可している国もある

世界には娯楽用として大麻の所持使用を許可している国も確かにある。

ベルギーやオランダ、アメリカではワシントン州、コロラド州、カリフォルニア州で許可されている。

これらの国が使用を許可している背景には、2つの大きな特徴があるといえる。

 

① 常態化してしまい規制が取れなくなる

一度国内で蔓延してしまい、常態化してしまったものは取り締まる事も規制することも難しくなることから、取締よりも管理への道を選ぶ。

海外に行かれた経験がある方はご存知かと思うが、マリファナなどは恐ろしく簡単に手に入る事が分かるだろう。

流通ルートが広く確立してしまった後ではコスト的にも規制が難しくなるという理由からだ。

 

②マフィア等の資金源を断つ

大麻は覚醒剤やヘロインなどに比べれば効果や悪影響が少ないソフトドラッグであるため、気軽に手に入れようとするのだが、違法物であるためそれを扱うマフィアを代表とされるブラックマーケットの資金源となる。

例えば、タイで2000円弱で売っている大麻が日本では25000円で流通しているのは、その分が暴力団等の組織へ流れているという事だ。

ハードドラッグに比べて「マシ」な大麻を規制して国が管理する事で、そうした闇社会への資金源を断つという目的がある。

 

これから厳罰化も規制も難しい、それなら国が管理して税収を取ろうというのが大麻解禁をしている国の特徴で、日本もこうした方針をしても良いのかもしれないが、かなり難しいだろう。

 

マリファナはガキの遊び

以前、アムステルダムに住むオランダ人と会い、大麻について話をしたことがあるが、彼らはやはり「大麻なんて規制するものでもない」という考え方が常識になっているようだ。

普通に町中で購入することができるし、何より規制前より治安が向上したというのがその理由らしい。

しかし、ある程度使用するとほとんどの人はマリファナをやめる傾向にあるそうだ。

その理由を聞けば、マリファナを吸うと一気に泥酔したような感覚になるので、食事と一緒に楽しめず、友人と会話を楽しみながらできるわけではない。

やはり友人と会話や食事を楽しむときはアルコール飲料を飲みながらの方が良いという。

そして、効き目が少ないという事と、大した効果がないという点から、「子供の時にいきがって吸う程度のもの」という位置づけらしい。

つまり、日本で言えば中学生がライターのガスを吸ってラリる、ガスパンと同程度のものと言えばよいだろうか。

よく、「大麻を吸うといろんな幻覚が見えて、聴覚が研ぎ澄まされて新しい世界が見える」などと言っている人がいるが、大麻にそれほどの効能はない。

こういう事を言う人はよほど慣れていなかったのか、普段から妄想が強い人なのだろう。

 

日本で大麻は解禁されるのか

日本にも大麻解禁を論じる人が多くいるが、そのほとんどがそれほど程度の高い地位にいない事が大きなテント言える。

大麻解禁を訴え参議院選挙に出馬した元女優は、「医療用大麻解禁」を訴えていたが、落選後自分で吸引して逮捕された。

「害がない」「医療として使える」と言う人の特徴の一つが、こうした自分が吸いたいから医療や健康被害が無いことをダシに使う輩が多いのが特徴だ。

この元女優の行動で、もしかしたら医療用大麻の使用が許可され、痛みに苦しむ患者が楽になる可能性があったのだが、全て水泡と消えた。

大麻が許可されるには、政権を持っている政党の議員が立案しなければまず無理ということが分かるが、そういう議員は大麻などには興味がないだろうから無理だろう。

 

最後に、大麻不法所持で2度逮捕され、刑務所に収監されていた知り合いがいたが、拘置所の面会時に「今でも大麻は悪いものではないと思っていない。だけど、こんなもので刑務所に行かなくてはいけないのがバカバカしい。」と言っていた。

大麻は特段大した効果も無く、健康被害も無い、誰にも迷惑をかけないそんな「ガキの遊び」だが、そんなものに収監されてでも使用するリスクを負う価値があるだろうか。

山口組三代目
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